スポンサーサイト

  • 2014.07.24 Thursday

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • -
  • -
  • -
  • -

エッセンシャルズ「 新しいLDの判断」 上野・名越監訳 日本文化科学社

  • 2013.10.13 Sunday
  • 06:46
監訳者あとがきから

 米国のLD(Learning Disabilities)の歴史は1963年のSamuel Kirkのシカゴでの講演が大きなきっかけであるとされる。それから半世紀、LDはその判定(わが国では判断)を巡って、また用語としても大きな曲がり角、というより再考が求められている。
 本書を初めて手に取ったとき、そうした息吹を強く感じた。タイトルの「Specific Learning Disability」に敏感に反応する人は、LDの用語の変遷に精通した人である。米国では、この「specific」を当初は一般の学習遅滞や困難と混同させないという意味で付けたこともあったが、LDが教育用語として普及するにつれ、あえて付けない風潮が一般的となった。むしろ、この用語を冠する英国での「specific learning difficulties」が米国のLDと同義であると整理されることもあった。
 また、医学(DSM)でよく使用されるDisorderとDisorders は症と症群と訳し分けられるが、disabilityもほぼ同義に扱われてきた。本書は、このDSMの流れを強く汲んでおり、21世紀以降のNCLB(落ちこぼれ防止)法(2002年)やIDEA改訂法(2004年)の影響を強く受けた、心理アセスメントを重視する側からのRTI(子どもの指導に対する反応を重視する評価方法)への新しい応答の書でもある。
 本書はKaufman夫妻編集のEssentials of Psychological Assessment シリーズの一冊でありDawn FlanaganとVincent Alfonsoによるものである。特にFlanaganはKaufmanの信望厚い後継者ともみなされる人物であり、米国における新しい心理アセスメントの旗手の一人でもある。
 ある日、弟子のひとりである小貫悟さんから、自分の敬愛するFlanagan先生のこの本が面白そうなのですが、と紹介があった。私もこのエッセンシャル・シリーズを何冊か手がけ、本書もぜひ日本で紹介したいと思い、出版社とすでに相談に入っているところだったので、このタイミングの良さに二人で驚いた記憶がある。
 翻訳に関しては、私の長年のLD研究を共に支えてきてくれた人々にも、ぜひこの進展の息吹を共有したく、名越斉子、小貫悟、海津亜希子、岡田智、岡崎慎司、立脇洋介、木下智子さんらと米国における長年の友人であるバーンズ亀山静子さんに分担(奥付参照)をお願いし、最終的に名越さんと私によって監修作業を行った。名越さんの誠実で精密な作業はどれほど私を勇気づけてくれたことか。
 翻訳書のタイトルを「特異的LDの判断」とせず、「新しいLDの判断」としたのは、現在、DSM-犬らDSM-5への移行期であり、あたらしいLearning Disability の訳もまだ確定してはいないのが理由である。日本版DSM−5では障害という呼称はなくなると伝え聞く。少なくとも21世紀に入ってのLD判断の米国における変化は、やがてわが国でもさまざまな形で影響を及ぼすと思われる。
 WISC-4やWAIS-4関係の日本版開発や著作などが併行し、思わぬ時間がかかってしまったが、この秋、Flanagan先生の来日に、何とか間に合いほっとしているところである。本書の翻訳・刊行にあたっては、中谷一郎氏、星吉弘氏、向井愛氏には一方ならぬお世話になったことをここに記し厚く感謝するものである。
                              監修者代表 上野一彦

スポンサーサイト

  • 2014.07.24 Thursday
  • 06:46
  • -
  • -
  • -
  • -
コメント
コメントする








    
この記事のトラックバックURL
トラックバック

PR

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>

search this site.

selected entries

categories

archives

links

profile

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM