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  • 2014.07.24 Thursday

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障害者権利条約の批准と実効

  • 2014.03.04 Tuesday
  • 22:22
教育支援資料 ―障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実―
(平成25年10月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)

平成18年12月、国連総会において、「障害者の権利に関する条約」が採択され、平成20年5月に発効しました。我が国においては、平成19年9月に同条約に署名するとともに、同条約の批准に向けて、平成23年の障害者基本法の一部改正を端緒とし、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)の制定や障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)の制定等、障害者に関する諸般の制度の整備が進められています。
これと並行して、文部科学省においても、中央教育審議会初等中等教育分科会において、今後の我が国の特別支援教育の在り方等についての議論が進められ、平成24年7月に報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」としてとりまとめられました。
文部科学省では、同報告等を踏まえつつ、今般、障害のある児童生徒等の就学先決定の仕組みに関する学校教育法施行令の改正を行いました。具体的には、―学基準に該当する障害のある児童生徒等は原則特別支援学校に就学するという従来の仕組みを改め、障害の状態等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みへの改正、⊂祿欧両態等の変化を踏まえた転学に関する規定の整備、視覚障害者等である児童生徒等の区域外就学に関する規定の整備、な欷郤垉擇喟賁膕箸らの意見聴取の機会の拡大、以上の4点が挙げられます。また、本改正令は、平成25年9月1日から施行されています。
本改正令の趣旨及び内容等については平成25年9月1日に文部科学事務次官通知において、就学手続を含めた早期からの一貫した支援等については平成25年10月4日に文部科学省初等中等教育局長通知において、都道府県教育委員会等に対して通知しています。
文部科学省においては、これまでも、障害のある児童生徒等の就学手続の重要性に鑑み、就学手続に関する具体の業務を行う際の参考として、就学手続の概要、障害の実態把握の方法、教育的対応などを内容とした「就学指導資料」を作成してきましたが、このたび、学校教育法施行令の改正等に伴う就学手続の大幅な見直しが行われたことを踏まえ、就学手続等に携わる方々がこの趣旨及び内容について十分に理解した上で、円滑に障害のある児童生徒等への教育支援がなされるよう、これまでの「就学指導資料」を改め、新たに「教育支援資料」としてとりまとめました。


JUGEMテーマ:教育


AD/HD治療薬 「コンサータ®錠」18歳以上の成人期への適応拡大 承認取得のお知らせ

  • 2014.01.29 Wednesday
  • 20:33
注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬 「コンサータ®錠」18歳以上の成人期への適応拡大 承認取得のお知らせ
のプレスリリースを山口県の福田さんよりお知らせいただきました。 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ブルース・グッドウィン、以下ヤンセン)は、12 月20日、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「コンサータ®錠」(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)について、18歳以上の成人期への適応拡大の承認を取得しました。 

コンサータ®錠は、2007年10月に日本で初めて「小児期(18歳未満)における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を適応とする製造販売承認を取得し、2011年8月には18歳未満で本剤による治療を開始した方で、18歳以降も継続して使用する場合に関する添付文書の一部改訂が行われました。今回の成人期への適応拡大の承認取得により、小児期に診断を受けた方だけでなく、18歳以上で注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断を受けた方も、コンサータ®錠を使用していただけます。

コンサータ®錠は、2013年10月現在、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダ、韓国など91の国と地域で小児期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)を適応として承認されています。
 
成人期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に対する適応は、アメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国など、39の国と地域で承認されています。

今年を振り返って

  • 2013.12.14 Saturday
  • 09:04
認定就学の本当の意味

9月1日学校教育法施行令の一部改正がありました。
改正は、平成24年7月に公表された中央教育審議会初等中等教育分科会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」において、「就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。」との提言がなされたこと等を踏まえたものです。
この報告では、「その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である。」との指摘がなされており、この点は、改正令における基本的な前提となっています。

本人や保護者の意見を尊重するのは当然ですが、本人にとって非合理的な願いも認めよというのではありません。十分な情報と専門的意見も加えた中で、本人にとって、特に自立と社会参加に向けて最適な環境をどう準備するかということです。

障害者の権利条約国会を通る

6月に国会で成立した「障害者差別解消法(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」についで、
2006年12月 国連総会において採択、翌年9月日本政府署名した「障害者権利条約]正式名称:障害者への差別を禁止する障害者権利条約承認案)」が今国会で成立しました。同条約は、障害者に健常者と平等な権利を保障し、社会参加促進へ必要な措置を取るよう締約国に求めています。日本は承認はしたものの批准が遅れていましたが、これで正式に批准が実現化します。外務省によると11月現在、137カ国と欧州連合(EU)が締結済みだそうです。

エッセンシャルズ「 新しいLDの判断」 上野・名越監訳 日本文化科学社

  • 2013.10.13 Sunday
  • 06:46
監訳者あとがきから

 米国のLD(Learning Disabilities)の歴史は1963年のSamuel Kirkのシカゴでの講演が大きなきっかけであるとされる。それから半世紀、LDはその判定(わが国では判断)を巡って、また用語としても大きな曲がり角、というより再考が求められている。
 本書を初めて手に取ったとき、そうした息吹を強く感じた。タイトルの「Specific Learning Disability」に敏感に反応する人は、LDの用語の変遷に精通した人である。米国では、この「specific」を当初は一般の学習遅滞や困難と混同させないという意味で付けたこともあったが、LDが教育用語として普及するにつれ、あえて付けない風潮が一般的となった。むしろ、この用語を冠する英国での「specific learning difficulties」が米国のLDと同義であると整理されることもあった。
 また、医学(DSM)でよく使用されるDisorderとDisorders は症と症群と訳し分けられるが、disabilityもほぼ同義に扱われてきた。本書は、このDSMの流れを強く汲んでおり、21世紀以降のNCLB(落ちこぼれ防止)法(2002年)やIDEA改訂法(2004年)の影響を強く受けた、心理アセスメントを重視する側からのRTI(子どもの指導に対する反応を重視する評価方法)への新しい応答の書でもある。
 本書はKaufman夫妻編集のEssentials of Psychological Assessment シリーズの一冊でありDawn FlanaganとVincent Alfonsoによるものである。特にFlanaganはKaufmanの信望厚い後継者ともみなされる人物であり、米国における新しい心理アセスメントの旗手の一人でもある。
 ある日、弟子のひとりである小貫悟さんから、自分の敬愛するFlanagan先生のこの本が面白そうなのですが、と紹介があった。私もこのエッセンシャル・シリーズを何冊か手がけ、本書もぜひ日本で紹介したいと思い、出版社とすでに相談に入っているところだったので、このタイミングの良さに二人で驚いた記憶がある。
 翻訳に関しては、私の長年のLD研究を共に支えてきてくれた人々にも、ぜひこの進展の息吹を共有したく、名越斉子、小貫悟、海津亜希子、岡田智、岡崎慎司、立脇洋介、木下智子さんらと米国における長年の友人であるバーンズ亀山静子さんに分担(奥付参照)をお願いし、最終的に名越さんと私によって監修作業を行った。名越さんの誠実で精密な作業はどれほど私を勇気づけてくれたことか。
 翻訳書のタイトルを「特異的LDの判断」とせず、「新しいLDの判断」としたのは、現在、DSM-犬らDSM-5への移行期であり、あたらしいLearning Disability の訳もまだ確定してはいないのが理由である。日本版DSM−5では障害という呼称はなくなると伝え聞く。少なくとも21世紀に入ってのLD判断の米国における変化は、やがてわが国でもさまざまな形で影響を及ぼすと思われる。
 WISC-4やWAIS-4関係の日本版開発や著作などが併行し、思わぬ時間がかかってしまったが、この秋、Flanagan先生の来日に、何とか間に合いほっとしているところである。本書の翻訳・刊行にあたっては、中谷一郎氏、星吉弘氏、向井愛氏には一方ならぬお世話になったことをここに記し厚く感謝するものである。
                              監修者代表 上野一彦

第22回 日本LD学会 理事長講演要旨

  • 2013.10.13 Sunday
  • 06:41
インクルーシブ教育の中でLD教育の次の課題を考える

上野 一彦(日本LD学会理事長)

昨年の2012年11月、日本LD学会は設立20周年を迎えた。今日、学会員も8000人近くにまで大きく成長した。学会が2001年に「LD指導者養成プログラム」によって開始した、現在の特別支援教育士(SENS)もSVまで加えれば4000人を超えている。2009年には学会は一般社団法人、資格認定協会は一般財団法人し、社会的な責務を意識した認知度の向上と組織的な強化が図られた。
20周年の記念誌でも述べたが、学校や研究などの組織運営あたっては「20年」を一つの区切りとする考えかたがあるという。最初の20年は、創設の熱意や夢・希望があふれ、さまざまな障害や欠陥を覆い隠し成長していく。弱点があったとしてもそれを上回る熱意が補っていくわけである。しかし、次の20年のハンドリングは難しい。新しい次なる目標を上手に立て、転換していかないと組織は常套化、硬直化し、保ちつ続けるためにエネルギーを費やし、活力を失っていく。
学会がLDの子どもや人々に対して、次の時代に担う役割は、LDに対する国際的な情報の共有化と科学的で効果的な指導技術の開発ではないだろうか。また、用語や判断基準なども時代の変化の中で変わっていく。われわれは常にその動きのイニシアチブをとっていかなければならない。
LD学会は単なる専門家だけの学術研究団体ではない。当初の目的にも掲げてきたように先生と保護者と専門家(Teachers,Pearents & Professionals)によって構成されていることを常に意識すべきである。具体的な実践を重視した科学的研究である。
この20年間にわれわれはLDからさまざまなことを学んだ。
*LDはインビジブルな(見えない)障害であること
*LDは障害と健常の架橋となること
*障害はスペクトラム(連続体)で考えるべきであること
*支援やサービスは利用しやすく効果がなければその名に値しないということ
 この時代的転換ともいえるこの時期、国際的なLD概念の共有と見直し、インクルーシブ教育進展の中での支援教育システムの在り方、具体的な支援技術(AT)の将来的視点など、10年ぶりに実施された文部科学省の実態調査、さらには障害者差別解消法などがLD教育に及ぼすであろう影響などの観点から課題について考えてみたい。
 われわれが求めるものは、安心して子どもを任すことのできる学校であり、LDへの理解はすべての児童生徒への理解を促進する。この間、私自身は、障害を理解と支援を必要とする個性として考えることををお伝えしてきたが、それこそがすべての人々が求める、安心して歳をとっていける社会の実現であり、LDはまさにその格好のモデルなのである。
 (私は常々思う。往々にして組織の危機は、若者の未熟さによる失敗ではなく、老人の墨守であり跋扈であると。1992年に始まったLDの啓発の時代はこれでほぼ終わったと思う。今回の講演は、私が大会で行う最後の理事長講演である。)
キーワード:LD SENS  支援技術(AT)

障害者差別解消法が可決成立

  • 2013.06.20 Thursday
  • 07:00
障害者差別解消法が可決成立しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130619/k10015408361000.html

画期的なのは下記の2点です:
合理的な配慮をしないことも差別である
発達障害が明記されている

法案は(1)障害を理由とした差別的取り扱いの禁止(2)障害者が壁を感じずに生活できるように合理的な配慮をすること――の義務づけが柱。国・自治体は2点とも法的義務だ。
民間事業者は(1)を法的義務とし、(2)は努力義務にとどめる。合理的配慮の義務が生じるのは、障害者らから求めがあり、負担が重すぎない場合に限る。
対象は教育、公共交通、医療など幅広い分野にわたる

国に指導・勧告権があるとして、虚偽報告した企業への罰則規定も設けた。施行は3年後の2016年4月。
何が差別に当たるか、政府は今後、基本方針を策定する。
法案の詳細は、以下を
http://www8.cao.go.jp/shougai/kaisyouhouan-anbun.html

(JDDnetからのお知らせです)

日本LD学会設立20周年

  • 2012.11.26 Monday
  • 15:36
日本LD学会の設立から今日まで、そして明日の課題
(一般社団法人)日本LD学会理事長 上野一彦
 
「組織20年説」という言葉がある。多くの組織が生まれ育つ時、最初の20年間は創成の熱い思いと困難を一丸となって乗り切ろうとする人の和によって、組織の弱さや欠点は絶えず修復され良い方向に前進を遂げる。しかし、本当の困難は創成期を終え、次ぎの伸長期、あるいは安定期に来るという。日本LD学会は1992年に設立,この11月で満20周年を迎える。まさにその最初の20年を終え、次の20年に向かっての大切な節目というわけである。
 わが国における「LD」理解の始まり
振り返ると、LD概念の登場は1963年、米国におけるS.A.カークのシカゴでの講演がその契機であったといわれる。わが国への伝播は2冊の訳書が端緒となった。
『ITPAによる学習能力障害の診断と治療(1974年)S.A.カーク・W.D.カーク(著)、三木安正・上野一彦・越智啓子(訳)』(日本文化科学社)
『学習能力の障害―心理神経学的診断と治療教育(1975年)H.R.マイクルバスト(著)、森永良子・上村菊朗(訳)』(日本文化科学社)
この時代、何の定訳もないままに、奇しくもどちらもLDを学習能力(の)障害と訳している。
やがてこれら研究者たちによる点としてのLD紹介は線としての連携となった。NHK教育テレビでのLD紹介番組などを通して次第に全国の親たちにもLDの存在は少しずつ理解されていった。その後、1982年に最初に設立された「あいちLD親の会かたつむり」を皮切りに各地で生まれたLD親の会は、1990年には「全国LD親の会」としての活動を開始した(最初の1年間、私の研究室にその事務局が置かれた)。
この全国LD親の会が2月に設立された時の秘話を一つする。私の同期でNHKの横浜局のチーフ・アナウンサーをしていた岡部晃彦氏に、同窓の好で取材をお願いした。教育畑にも関心の高かった彼の尽力により、5月にはこれらの動きが朝の番組で全国放送として流された。彼が番組を終え、スタッフルームへ戻ると部屋中の電話が鳴り響き、スタッフ全員が応対に追われるという反響のすごさは今でも語り草になっていると聞く。
こうした動向を背景に、1990年における(当時)文部省の「通級指導に関する調査研究協力者会議」(座長:山口薫)、1992年からの「LDに関する調査研究協力者会議」(座長:山口薫)でのLD教育の公的な検討へと展開されていった。
 日本LD学会の誕生
機運が高まるなか、1992年11月、日本LD学会(当初、日本LD研究会)が専門家だけでなく、親たちの支援のもとにスタートした。本学会は,学術関係者だけでなく、教育現場における教員や社会啓発の先頭に立ってきた保護者も構成員であるところにある。こうした「科学と実践の重視は,LD学会の最大の特徴」であり、その後の学会発展のバックボーンともなっている。
ここでも忘れ得ぬ思い出話を一つしておきたい。すでに鬼籍に入られた初代会長長瀬又男氏、事務局長下司昌一氏、長畑正道氏、上村菊朗氏らを初め、学会の創設と創成期を共に支えてきた中根晃氏、森永良子氏、佐々木正美氏、大石敬子氏、野村東助氏、牟田悦子氏ら多くの方々とともに学会設立の準備をしてきた。
この重要な時期である1992年の3月に、私は文部省の在外研究で日本を離れることになり、下司先生らにすべてを託しての渡米となった。当時はインターネットなどまだ普及しておらず、faxと手紙でのやり取りがすべてであった。同年11月、資金的にもかなりのリスクを負っての最初の学会が上智大学で開催された。それは300人足らずのささやかな船出だったと聞く。私はといえば、下司先生からの報告を片手にニューヨークのアパートで一人、日本での熱気を想像しつつ祝杯を挙げた次第である。
思えば同年7月、文部省から「LDに関する調査研究協力者会議」委員の就任要請があり、引き受けたものの半年間欠席せざるを得なかった。帰国後、LD定義をどうするかで、遅々として進んでない様子を見て、「米国ではLDの定義論争はすでに終わっている。私は半年間出席できなかったので、半年分意見を言わせてほしい。」と、今思えばとんでもない強気の跳ねっ返りの委員だった。それも私たちの肩にLDの子どもや親たちの悩みや苦しみを背負っているとの自負があったからだと思う。
1994年の第3回大会で日本LD研究会は日本LD学会へと名称変更し、長瀬先生の後を継ぎ私は会長(法人化後理事長)となり現在に至っている。あえてLDの名をそのままに学術団体としての登録(当時は学術団体としての登録が必要だった)もしたが、学習障害ではなく、LDという表記を広めていきたいという判断がそこにはあった。
 SENS協会の設立と法人化
 「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」(座長:河合隼雄)の席上だったと思うが、「通級による指導」の対象として、LDやADHD、高機能自閉症などを指導対象にして欲しいという意見に対し、そうした専門の指導教員がほとんどいないという返答があった。そこで学会自らがそうした専門指導者の養成をしようと、竹田契一氏、下司昌一氏、花熊暁氏、宮本信也氏、柘植雅義氏ら、学会の主要メンバーらと相談し、「LD教育士(のちに特別支援教育士:SENS)」の指導者養成のための資格認定事業を開始した。
これら事業は時代のニーズでもあった。2009年4月には学会の一般社団法人化と特別支援教育士資格認定協会(SENS協会)の一般財団法人化を、社会的責務を一層明らかにするべく同時に実施した。
20周年をどのように迎え、今後、学会・協会を車の両輪として、これら子どもたち、人々のためにどのように発展させるか、まさに
そうした壮大な夢を語り合うなか、LD啓発の無二の戦友であり、学会・協会のエンジンともいうべき下司昌一氏を突然の病で失った。
 この活力あふれる学会を、LDを初め、発達障害、さらにはすべての支援を待つ子どもたち・人々の明日の在り方につなげるためにも、次の世代に上手にバトンタッチしていきたいと下司先生の墓前に誓うものである。
 LD学会・SENS協会のこれからの課題
学会設立以来20年,わが国におけるLD研究と実践の基盤作りの段階はほぼ終わり,大いなる飛躍の時を今,迎えようとしている。この度の学会・協会の事務局の東京移転は、次世代への基礎作りの第一歩である。今日、学会会員数は、正会員7,551名、協会のSENS及びSENS-SV取得者は3,685名(内SENS-SV,342名)である。
2005年の発達障害者支援法の施行以来,発達障害をめぐる状況は一変し,その後さまざまな関連法にも発達障害が書き込まれつつある。2006年以降,小中学校における「通級による指導」では正式にLDやADHDが指導対象となり、その数も急増している。さらに2002年の通常学級における全国調査からちょうど10年目にあたる今日、文部科学省は再調査を実施した。これから報告される内容は,新たな充実施策の展開のためにも大いに期待される。まさに「理解と啓発の時代から,効果的な支援と対応の時代へ」の移行である。
 こうした経緯を踏まえ,次の20年、発達障害をめぐって取り組まなければならない課題と方向性を挙げておく。
“達障害、なかでもLDの障害状態は、障害のあるものとそうでないものとの中間的に位置する、いわば架橋的役割がある。障害を単に種別的に理解するのではなく,その支援ニーズを質と量から,連続体としてとらえていくことが大切である。もはや特別支援教育ではなく支援教育と呼ぶべき時期に到達している。
△錣譴錣譴learning disabilitiesという概念を根底にlearning differences(学びの相異)という考え方を大切にする立場をとる。
それは学びの保障を意味する。新しい時代のICTなど利用によるAT
(支援技術)の開発と利用が焦点となる。
6軌蕁Π緡邸κ〇磧ο働など,各界が希求する最終ゴールは,彼らの自立と社会参加であり,より質の高い生活への連動した支援体制作りである。そうした支援においては,利用しやすく,具体的効果のみえることをこそ評価しなければならない。
これら課題を、皆さんとともに解決していきたいと強く願う。

障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見

  • 2012.11.05 Monday
  • 07:57
内閣府が「障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見」を募集しています。JDDNETからも意見を発信する予定ですが、教育に関する障害者の差別に関してのカズ先生の意見を述べます。

【「障害を理由とする差別を禁止する法制に関する意見」(上野一彦)】
○障害の有無にかかわらず、人間として教育の機会均等は等しく保障されるべきであり、いかなる差別の存在もあってはならず、インクルーシブ教育制度の実現を心から希求するものである。

○わが国におけるかつての「特殊教育」は、障害の種別と程度によって場を決め、障害と健常とを二分して行う教育であり、二種類の人間が存在するかのような誤解を一部に生じさせてきたことはその根底に差別意識を生じさせるものであり反省しなければならない。

○障害は個性であり、連続した状態像のなかに存在することを改めて認識する必要がある。同時に個別化された支援(援助介入)は、個人の障害特性に十分に配慮し、本人と保護者の意志を尊重するなかで、その指導形態や指導内容についての量と質の多様性が保障され、提供の連続性と選択の柔軟性が保障されなければならない。

○合理的配慮とは、上記の実現を意味することであり、単なる画一的な教育条件や一方的な機会の提供を意味するものではない。教育を受ける本人にとって、利用しやすく、かつ十分な指導効果が期待されなければ、援助やサービスの名に値しない。

○必要な支援を一般教育制度の下で受けることが原則であるが、サラマンカ宣言(1994)にある、通常学級以外に就学する場合の要件としての、「まれなケースだけに勧められる、例外であるべきである」という文言、及びIDEIA(2004)にある、「追加される援助やサービスの利用をもってしても、子どものその障害の性質や程度によって、教育目的を達成しえない場合に限定される」などの文言は、かつての特殊教育から現行の特別支援教育への転換を踏まえ、わが国における教育制度のあり方と運用を、本人と保護者の意志を尊重するなかで、まさに教育目的の達成という観点から考えていくべきである。

○現行の特別支援教育における交流と共同学習の促進、さらに「通級による指導」などにおける支援ニーズの急増などを鑑みれば、これら基本的な方向性は、一層の支援内容の充実と弾力的な運用によって十分な成果を挙げ得るものと考える。

○現行の特別支援教育は大きな進展と意識の変化を生みつつある。障害のある者への「特別支援教育」から、障害を個性と考えるならば、すべての児童生徒への「支援教育」のなかで位置づけていくべきであろう。

○入学試験・定期試験に関して
特別支援教育は初等中等教育から高等教育にも大きく波及し始めている。大学入試センター試験においては、平成23年度入学者選抜における障害者への特別措置はから、これまでの身体障害者に加え、発達障害をも障害区分に加えた。24年度入学者選抜においては、措置内容である時間延長、拡大文字冊子の配布、チェック解答、別室受験に加え、文書による伝達なども明記された。さらに本年度実施される平成25年度入学者選抜においては、特別措置の申請期間を1カ月早め、決定通知を12月から、可能なものは9月中にするなどの改善が試みられている。
これらの改善は、発達障害者支援法の施行、来るべき障害者基本条約の批准などを視野に入れたものである。(以上)
JUGEMテーマ:教育

障害者総合支援法の成立

  • 2012.07.04 Wednesday
  • 11:28
民主党の内紛というか、国民はマニフェストに期待はするものの、その後の大きな社会情勢の変化の中で、大方はそんなにうまくいくものではないと半ば理解する向きもあったと思う。
政治家は、二言目には、国民のためとか、信義とかいうが、どうも自分の立場からの距離でしかものを言わない。
国民もそれほどバカではないと言いたい。まあ自分が国民の代表だとも思ってはいないが。(ここまで本音)

ところでこの茶番というか、連日の猿芝居の影で「障害者総合支援法成立」のことがあまりニュースになっていない。

新聞の記事によれば政治主導の挫折…関係者失望
毎日新聞 2012年06月20日 21時23分

 障害者総合支援法は自立支援法の抜本的改正にはならなかった。背景にあるのは民主党が掲げた政治主導の挫折。政権交代を実現した09年衆院選のマニフェストに自立支援法廃止を盛り込むなどハードルを上げすぎたばかりに、関係者の大きな失望や反発を招いた。

 「期待した政治主導はほとんど感じられなかった。厚生労働省はねじれ国会以降、政治主導の危機が去ったとみたか我々部会三役に何も言わなくなった」

 こう憤るのは、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会で副部会長を務めた茨木尚子・明治学院大教授。10年参院選大敗を機に政治主導が急速にしぼんだと感じたという。

 自立支援法廃止の前に立ちはだかったのは、財源の壁とねじれ国会だった。加えて、廃止による自治体側の事務負担増大という事情も。そこで民主党は社会保障費の伸びを抑制し、他の施策との整合性を重視したい厚労省と歩調を合わせ、自立支援法をつくった自民・公明両党にも配慮して成立を優先させた。

 その結果、新法は自立支援法の枠組みに沿うものに。障害者らも議論に加わった同部会の部会長、佐藤久夫・日本社会事業大教授は「何のために招集されたのか」とあきれる。


それでも発達障害が様々な法整備の中で、きちんと位置付けられていく部分はうれしい前進だと思っています。

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特別支援教育と発達障害をめぐる動向

  • 2012.06.12 Tuesday
  • 23:53
先日、文科省の樋口一宗調査官と厚労省の山本真理子専門官から平成24年度の行政説明をお聞きする機会があった。
お二人のお話から印象に残った項目をご紹介する。

・学校教育法や改正自立支援法、障害者基本法に続き、児童福祉法でも発達障害者が明示された。

・「通級による指導」の障害対象のうちLD,ADHD,自閉症の増加が目立つが、平成5年にこの制度が整えられて以来はじめて言語障害が50%を割った。

・今年度関係予算を見ると、加配教職員定数について(義務)では通級指導対応(比較的軽度の障害のある児童生徒 のためのいわゆる通級指導対応)は 5,341人でこれは前年度からみればプラス600人の増である。

・発達障害については、精神障害に含まれるものとして明記された。

・これまでの発達障害者支援センターの他に児童支援センターを置き、両者によって手厚い支援体制を地域に作る。

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