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  • 2014.07.24 Thursday

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「公認心理師法案実現のための説明集会」のご報告(7月12日)

  • 2014.07.24 Thursday
  • 23:53

平成26年7月12日に「公認心理師法案実現のための説明集会」を開催しました。 
6月16日に法案は国会に提出され、秋の臨時国会の継続審議となっています。
この法案提出にあたって、自民、公明、みんな、結い、生活、社民の6党が賛成し、6月18日に衆議院文部科学委員会で山下貴司衆議院議員が説明をされました。
秋の臨時国会に向けて、是非実現させるために、多くの皆さんに法案を知って頂き、賛同の輪をひろげることがこの集会の目的です。

 東京中野サンプラザホールで開かれた説明集会の当日は台風一過の晴天となりました。暑さの中でしたが、950名の参加がありました。2時間のプログラムは以下のようでした。
【前半】
 三団体代表挨拶 上野一彦  日本心理学諸学会連合理事長
 お礼の挨拶 村瀬嘉代子 一般社団法人日本臨床心理士会会長、一般財団法人日本心理研修センター理事長
 基調講演 河村建夫 衆議院議員 元内閣官房長官、元文部科学大臣、自民党心理職の国家資格を推進する議員連盟会長
 招待議員、秘書の皆様の紹介及びメッセージの紹介
 パネルディスカッション
      古屋範子 公明党厚生労働部会長
      中嶋義文 社団法人日本総合病院精神医学会理事
      河村建夫 前出
 全体司会 下山晴彦  日本心理学諸学会連合理事
 
 鴨下一郎 衆議院議員のお話
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 河村議員は基調講演で以下のように話されました。
先の国会で公認心理師法案が委員長提案ではなく継続審議になった経緯
に触れ、今回委員長提案には至らなかったが、法案に反対している党派がある
わけではなく、秋の臨時国会で成立させたい。公認心理師法案の内容について、
〕楡は大学院修士修了が主な道である、¬松里法峪奸廚箸△襪里蓮◆峪痢廚
つく多くの資格はそのまま使えるようにするためである、7于畫蔀屬如現に
既存の民間資格等で仕事をしている人は、5年間の実務経験と一定の講習を
受けることで受験資格が得られること、じ認心理師の義務として、信用失墜
行為の禁止や医師の指示の記載があるが、それは今までやっていることを大き
く変えるものではなく、現状を法律用語にしていくものであること、ジ認心
理師法案は厚労省と文科省の共管で、あらゆる領域で心理支援が行えるように
作っていく、今より多くの人が受験することになってもレベルが落ちないよ
うな試験制度を作ること、まずは本法案から始めて良いものに育てていきたい
とまとめられました。最後に、精神科七者懇談会を始めとする関係諸団体のご
協力への感謝を述べられ、「小異を捨てて大同につき、まずは国家資格を作る」
事が大事とされ、心理研修センターでの研修にも言及し、公認心理師が国民や
社会から信頼される専門職になることへの期待で締めくくられました。

河村議員ブログより
先の国会に議員立法で提出した「公認心理師法案」の説明会が開かれ、議員連盟会
長として出席しました。基調講演とバネルディスカッションのパネラーとして、法案の経
過や公認心理師に期待することをお話ししました。何よりも、国家資格試験は高い質
を担保しつつ、国民の心のケアをしていただけなければなりません。
秋の臨時国会では、なるべく全党の賛同を得て、法案を通過させたいと思っておりま
す。

【後半】
 後半はパネルディスカッションで、パネリストは河村議員、古屋議員と、中嶋義文医師でした。
古屋議員は、法案について、国際水準並みの資質の向上ということで、メインは大学院であり、今後もしっかり意見を述べていく必要があること、第四十二条2項の「指示」に関わって、医療現場以外で主治医の指示が心理職の業務を狭めるのではないか、緊急の場合どうなるのかなどの懸念が出され、党内で議論が起きたことを明らかにされました。この法案へのさまざまな意見を反映させるために、第四十二条2項に対して、第四十五条に2項として「この法律に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令・厚生労働省令で定める」を加えて、2年間かけて必要な事項を定めていくことを盛り込んだ経緯を話されました。また議員としてずっと取り組んでおられるうつ病対策についてお話がありました。
 次に、中嶋医師は、公認心理師法案は医療システムや国民を救うために必要。業務独占職種の医師が医師にしかできないことに専念するために、心理支援は心理職が担うことが必要である。緩和ケアなどさまざまなチーム医療で求められており、心理専門職がチームに加わる必要性を述べられました。また、この法案で議論になっている法案第四十二条については、1項の「連携」が最も大事であり、そのコモンセンスの中で安全配慮義務が求められる場合の2項「指示」であることを強調されました。
 これらを受けて、河村議員より、チーム医療の需要の高まりを考えると医療現場でも研修が必要であること、各省が責任を持って省令を作成することや、試験問題などによって大学院がメインになる方向に誘導する必要について再度、強調されました。
途中で、鴨下一郎衆議院議員が駆けつけられ、お話をいただきました。鴨下議員は、社会的な要請が高まる中、心理職の成熟とまとまりがあって、今回やっと法案提出ができるまでになったこと、しかし、法律の成立のためには、それぞれが社会的役割を果たしていくようにと、身の引き締まるお話をされました。これを受けて、河村議員が、これから各省でガイドラインなどを作るので協力してほしい、これからも努力して公認心理師を仕上げていきたい、今日はこの時間で頭の整理ができたとまとめられました。

 閉会にあたって、鶴光代推進連会長から挨拶がありました。国会議員の方々のご努力、医療関係団体の方々のご支援があって法案の提出ができたことへの御礼と、国家資格創設の目的は国民の役に立つことであることを再確認して締めくくりの言葉となりました。

障害者権利条約の批准と実効

  • 2014.03.04 Tuesday
  • 22:22
教育支援資料 ―障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実―
(平成25年10月 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)

平成18年12月、国連総会において、「障害者の権利に関する条約」が採択され、平成20年5月に発効しました。我が国においては、平成19年9月に同条約に署名するとともに、同条約の批准に向けて、平成23年の障害者基本法の一部改正を端緒とし、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)の制定や障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)の制定等、障害者に関する諸般の制度の整備が進められています。
これと並行して、文部科学省においても、中央教育審議会初等中等教育分科会において、今後の我が国の特別支援教育の在り方等についての議論が進められ、平成24年7月に報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」としてとりまとめられました。
文部科学省では、同報告等を踏まえつつ、今般、障害のある児童生徒等の就学先決定の仕組みに関する学校教育法施行令の改正を行いました。具体的には、―学基準に該当する障害のある児童生徒等は原則特別支援学校に就学するという従来の仕組みを改め、障害の状態等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みへの改正、⊂祿欧両態等の変化を踏まえた転学に関する規定の整備、視覚障害者等である児童生徒等の区域外就学に関する規定の整備、な欷郤垉擇喟賁膕箸らの意見聴取の機会の拡大、以上の4点が挙げられます。また、本改正令は、平成25年9月1日から施行されています。
本改正令の趣旨及び内容等については平成25年9月1日に文部科学事務次官通知において、就学手続を含めた早期からの一貫した支援等については平成25年10月4日に文部科学省初等中等教育局長通知において、都道府県教育委員会等に対して通知しています。
文部科学省においては、これまでも、障害のある児童生徒等の就学手続の重要性に鑑み、就学手続に関する具体の業務を行う際の参考として、就学手続の概要、障害の実態把握の方法、教育的対応などを内容とした「就学指導資料」を作成してきましたが、このたび、学校教育法施行令の改正等に伴う就学手続の大幅な見直しが行われたことを踏まえ、就学手続等に携わる方々がこの趣旨及び内容について十分に理解した上で、円滑に障害のある児童生徒等への教育支援がなされるよう、これまでの「就学指導資料」を改め、新たに「教育支援資料」としてとりまとめました。


JUGEMテーマ:教育


AD/HD治療薬 「コンサータ®錠」18歳以上の成人期への適応拡大 承認取得のお知らせ

  • 2014.01.29 Wednesday
  • 20:33
注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬 「コンサータ®錠」18歳以上の成人期への適応拡大 承認取得のお知らせ
のプレスリリースを山口県の福田さんよりお知らせいただきました。 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ブルース・グッドウィン、以下ヤンセン)は、12 月20日、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「コンサータ®錠」(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)について、18歳以上の成人期への適応拡大の承認を取得しました。 

コンサータ®錠は、2007年10月に日本で初めて「小児期(18歳未満)における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を適応とする製造販売承認を取得し、2011年8月には18歳未満で本剤による治療を開始した方で、18歳以降も継続して使用する場合に関する添付文書の一部改訂が行われました。今回の成人期への適応拡大の承認取得により、小児期に診断を受けた方だけでなく、18歳以上で注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断を受けた方も、コンサータ®錠を使用していただけます。

コンサータ®錠は、2013年10月現在、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダ、韓国など91の国と地域で小児期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)を適応として承認されています。
 
成人期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)に対する適応は、アメリカ、オーストラリア、カナダ、韓国など、39の国と地域で承認されています。

今年を振り返って

  • 2013.12.14 Saturday
  • 09:04
認定就学の本当の意味

9月1日学校教育法施行令の一部改正がありました。
改正は、平成24年7月に公表された中央教育審議会初等中等教育分科会報告「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」において、「就学基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当である。」との提言がなされたこと等を踏まえたものです。
この報告では、「その際、市町村教育委員会が、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を行うことを原則とし、最終的には市町村教育委員会が決定することが適当である。」との指摘がなされており、この点は、改正令における基本的な前提となっています。

本人や保護者の意見を尊重するのは当然ですが、本人にとって非合理的な願いも認めよというのではありません。十分な情報と専門的意見も加えた中で、本人にとって、特に自立と社会参加に向けて最適な環境をどう準備するかということです。

障害者の権利条約国会を通る

6月に国会で成立した「障害者差別解消法(正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」についで、
2006年12月 国連総会において採択、翌年9月日本政府署名した「障害者権利条約]正式名称:障害者への差別を禁止する障害者権利条約承認案)」が今国会で成立しました。同条約は、障害者に健常者と平等な権利を保障し、社会参加促進へ必要な措置を取るよう締約国に求めています。日本は承認はしたものの批准が遅れていましたが、これで正式に批准が実現化します。外務省によると11月現在、137カ国と欧州連合(EU)が締結済みだそうです。

中根晃先生の訃報に接し

  • 2013.11.14 Thursday
  • 10:09

 中根晃先生の訃報に接しました。
 「清き巨星堕つ」それが正直なわたくしの印象です。約8千人もの会員を擁する日本LD学会の今日の礎を造られた先達のひとりであり、医師という立場で、常に暖かく、そして厳しく私たちを導いて下さいました。まさに学際的な学会の在り方を指導してくださった大切な方でもありました。副理事長(当時副会長)という立場でお支えくださった時期もありました。
 医学、心理、教育などの学際的領域で、概念などについてもさまざまな混乱ある中、その道を切り拓いていく過程で、ひとにたいしては優しく、理論的に対しては厳しくは、筋を通す方でした。それだけに困ったときには「先生どう考えたらよいのでしょう?」とお尋ねするすることも多くあったこと記憶します。
現役を退かれた後、地方で開催された学会の時、足をのばされてお好きなチョウチョの観察にお出かけなるお姿お見受けしました。すでに鬼籍に入られた下司昌一先生もそうでしたが、たまたま珍しいチョウチョの写真など撮ったりしたとき、mailでお尋ねすると、いつもていねいに嬉しそうにご返事くださいました。
 昨年20周年の時、先生から記念の原稿いただいた時、「話すよりも書く方が得意なのだ」とよくおっしゃっていた先生の筆にかすかな乱れを感じ、心配しておりました。ゆっくりこれまでのことお伺いしたいなと思っていた矢先の訃報でした。
 LDだけでなく、ADHD、ASDなど発達障害のある子ども、人達への支援、そして安心して暮らせる社会が実現しつつあります。その先生の夢を受け継いでいくことをここにお約束したいと思います。どうぞ安らかにお休みください。美しいチョウチョを存分に追いかけてください。ご冥福心よりお祈りいたします。

 (一般社団法人 日本LD学会理事長 上野一彦)

エッセンシャルズ「 新しいLDの判断」 上野・名越監訳 日本文化科学社

  • 2013.10.13 Sunday
  • 06:46
監訳者あとがきから

 米国のLD(Learning Disabilities)の歴史は1963年のSamuel Kirkのシカゴでの講演が大きなきっかけであるとされる。それから半世紀、LDはその判定(わが国では判断)を巡って、また用語としても大きな曲がり角、というより再考が求められている。
 本書を初めて手に取ったとき、そうした息吹を強く感じた。タイトルの「Specific Learning Disability」に敏感に反応する人は、LDの用語の変遷に精通した人である。米国では、この「specific」を当初は一般の学習遅滞や困難と混同させないという意味で付けたこともあったが、LDが教育用語として普及するにつれ、あえて付けない風潮が一般的となった。むしろ、この用語を冠する英国での「specific learning difficulties」が米国のLDと同義であると整理されることもあった。
 また、医学(DSM)でよく使用されるDisorderとDisorders は症と症群と訳し分けられるが、disabilityもほぼ同義に扱われてきた。本書は、このDSMの流れを強く汲んでおり、21世紀以降のNCLB(落ちこぼれ防止)法(2002年)やIDEA改訂法(2004年)の影響を強く受けた、心理アセスメントを重視する側からのRTI(子どもの指導に対する反応を重視する評価方法)への新しい応答の書でもある。
 本書はKaufman夫妻編集のEssentials of Psychological Assessment シリーズの一冊でありDawn FlanaganとVincent Alfonsoによるものである。特にFlanaganはKaufmanの信望厚い後継者ともみなされる人物であり、米国における新しい心理アセスメントの旗手の一人でもある。
 ある日、弟子のひとりである小貫悟さんから、自分の敬愛するFlanagan先生のこの本が面白そうなのですが、と紹介があった。私もこのエッセンシャル・シリーズを何冊か手がけ、本書もぜひ日本で紹介したいと思い、出版社とすでに相談に入っているところだったので、このタイミングの良さに二人で驚いた記憶がある。
 翻訳に関しては、私の長年のLD研究を共に支えてきてくれた人々にも、ぜひこの進展の息吹を共有したく、名越斉子、小貫悟、海津亜希子、岡田智、岡崎慎司、立脇洋介、木下智子さんらと米国における長年の友人であるバーンズ亀山静子さんに分担(奥付参照)をお願いし、最終的に名越さんと私によって監修作業を行った。名越さんの誠実で精密な作業はどれほど私を勇気づけてくれたことか。
 翻訳書のタイトルを「特異的LDの判断」とせず、「新しいLDの判断」としたのは、現在、DSM-犬らDSM-5への移行期であり、あたらしいLearning Disability の訳もまだ確定してはいないのが理由である。日本版DSM−5では障害という呼称はなくなると伝え聞く。少なくとも21世紀に入ってのLD判断の米国における変化は、やがてわが国でもさまざまな形で影響を及ぼすと思われる。
 WISC-4やWAIS-4関係の日本版開発や著作などが併行し、思わぬ時間がかかってしまったが、この秋、Flanagan先生の来日に、何とか間に合いほっとしているところである。本書の翻訳・刊行にあたっては、中谷一郎氏、星吉弘氏、向井愛氏には一方ならぬお世話になったことをここに記し厚く感謝するものである。
                              監修者代表 上野一彦

第22回 日本LD学会 理事長講演要旨

  • 2013.10.13 Sunday
  • 06:41
インクルーシブ教育の中でLD教育の次の課題を考える

上野 一彦(日本LD学会理事長)

昨年の2012年11月、日本LD学会は設立20周年を迎えた。今日、学会員も8000人近くにまで大きく成長した。学会が2001年に「LD指導者養成プログラム」によって開始した、現在の特別支援教育士(SENS)もSVまで加えれば4000人を超えている。2009年には学会は一般社団法人、資格認定協会は一般財団法人し、社会的な責務を意識した認知度の向上と組織的な強化が図られた。
20周年の記念誌でも述べたが、学校や研究などの組織運営あたっては「20年」を一つの区切りとする考えかたがあるという。最初の20年は、創設の熱意や夢・希望があふれ、さまざまな障害や欠陥を覆い隠し成長していく。弱点があったとしてもそれを上回る熱意が補っていくわけである。しかし、次の20年のハンドリングは難しい。新しい次なる目標を上手に立て、転換していかないと組織は常套化、硬直化し、保ちつ続けるためにエネルギーを費やし、活力を失っていく。
学会がLDの子どもや人々に対して、次の時代に担う役割は、LDに対する国際的な情報の共有化と科学的で効果的な指導技術の開発ではないだろうか。また、用語や判断基準なども時代の変化の中で変わっていく。われわれは常にその動きのイニシアチブをとっていかなければならない。
LD学会は単なる専門家だけの学術研究団体ではない。当初の目的にも掲げてきたように先生と保護者と専門家(Teachers,Pearents & Professionals)によって構成されていることを常に意識すべきである。具体的な実践を重視した科学的研究である。
この20年間にわれわれはLDからさまざまなことを学んだ。
*LDはインビジブルな(見えない)障害であること
*LDは障害と健常の架橋となること
*障害はスペクトラム(連続体)で考えるべきであること
*支援やサービスは利用しやすく効果がなければその名に値しないということ
 この時代的転換ともいえるこの時期、国際的なLD概念の共有と見直し、インクルーシブ教育進展の中での支援教育システムの在り方、具体的な支援技術(AT)の将来的視点など、10年ぶりに実施された文部科学省の実態調査、さらには障害者差別解消法などがLD教育に及ぼすであろう影響などの観点から課題について考えてみたい。
 われわれが求めるものは、安心して子どもを任すことのできる学校であり、LDへの理解はすべての児童生徒への理解を促進する。この間、私自身は、障害を理解と支援を必要とする個性として考えることををお伝えしてきたが、それこそがすべての人々が求める、安心して歳をとっていける社会の実現であり、LDはまさにその格好のモデルなのである。
 (私は常々思う。往々にして組織の危機は、若者の未熟さによる失敗ではなく、老人の墨守であり跋扈であると。1992年に始まったLDの啓発の時代はこれでほぼ終わったと思う。今回の講演は、私が大会で行う最後の理事長講演である。)
キーワード:LD SENS  支援技術(AT)

DSM-5と発達障害

  • 2013.07.21 Sunday
  • 04:58
7月20日、SENS東京支部会の年2回ある定例会で、筑波大学の宮本信也先生をお招きし、「発達障害に関するいくつかの話題−DSM−5における変更を中心に−」という4時間の素晴らしい講演があった。私の記憶にある要点だけを箇条書きする(あくまでも私の理解の範囲内でのメモなので、不正確な記述があるとすれば、それはすべて私の理解不足からの責任である)。

○米国の精神医学における診断書DSM−5が本年5月に刊行、現在日本語訳作業が進行、12月もしくはそれ以降に出る予定。2年後にはICD−11も改訂されるが、それらを受けてわが国の発達障害などの法律概念も再考する可能性が出てくるだろう。
○今回のDSM−5における目立つ改訂点は、これまでの多軸診断が廃止されたこと、特に自閉症についての概念定義が変わったことがあげられる。
○ICFを背景に、症状と日常生活での支障、支援の必要程度に応じた重症度が一つの特徴。
○日本語訳では、原則、障害を使わずdisorder(disability)は「症」とする可能性が検討されている。複数は症群。

○発達障害関連では「Neurodevelopmental Disorders(神経発達症群)」(日本語訳はあくまでも暫定的な翻訳案)の登場。そのなかの主だったものを挙げると
 ・Intellectual Disabilites
 ・Communication Disorders
 ・Autism Spectrum Disorder
 ・Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder
 ・Specific Learning Disorder
 ・Mortor Disorders 

●Intellectual Disability(Intellectual Developmental Disorder)(知的発達症)
 ・MRに代わって
 ・診断基準からIQ値削除(知的能力の検査による測定を否定してはいない。/IQは誤差を含めて判断することが必要。概念機能の評価にはよいが実生活の状態像やスキルの評価には不十分。/IQ以外に、臨床的な総合判断が重要) ・Global Developmental Delay(5歳以下:全般的発達遅滞)とUnspecified(5歳以上非特異的)を加える。
 ・診断基準
  A 臨床的評価と標準化された個別知能検査の両方で確認された知的機能の遅れ。
B 複数の場で確認される適応能力の問題。
  C 知的機能の遅れと適応能力の問題は、発達期に出現する。

●Communication Disorders(コミュニケーション症群)
 ・Language Disorder(言語症:IVの表出性言語障害・受容表出混合性言語障害に代わって)一元化
 ・Social(Pragmatic)Communication Disorder(社会的(語用)コミュニケーション症)の新設
ASD診断基準Aのみ (アスペルガー障害の受け皿になる可能性)
   ASDの診断基準B 現在あるいは過去にあり⇒ASD なし⇒SCD 

●Autism Spectrum Disorder(ASD:自閉症スペクトラムor自閉スペクトラム症)
 ・PDDの廃止
 ・A 意思疎通や対人交流に関する問題が、持続的に複数の場面で認められる。
  B 限定された行動パターンや限定された関心・活動領域の反復
  C 症状は発達早期に見られなければならない(年長以降では表面化しなくなることもある)
 
  ASDはAとBの両方を満たす。ASD診断はIVにより診断されているものはASD

●Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder(注意欠如・多動症)
 ・IVとあまり変わらないが、部分寛解状態の有無 ASDの記載なしが除外(ASDとの併存診断可)
●Specific Learning Disorder
 ・A 以下の学習スキルの習得の困難の1つ以上が、6か月以上続いている。
  B 学習スキルの問題は、歴年齢から期待される程度を明らかに下回り、学業や仕事あるいは日常生活において著しい支障をきたしている。学習スキルの問題は、標準化された個別学力検査と詳細な臨床評価によって確定される。
  C 学習困難は、学歴に出現するが、学習に関する要求水準の程度によって表面化しないこともある。
 ・診断時の特定事項
   読字、書字、算数
(以下略)

日本心理学諸学会連合(日心連)理事長就任あいさつ

  • 2013.07.18 Thursday
  • 05:24
理事長挨拶
 日本心理学諸学会連合は、50もの心理学関係の諸学会間の連携を図りつつ、心理学の社会的役割に対する責務を強く意識しつつ、内外における情報の共有化等を進めることをその目途としています。関係各位の努力により、具体的な事業のひとつである心理学検定も軌道に乗りつつありますが、今、われわれは新しい局面を迎えようとしています。
 2008年末から参画した、心理職の国家資格化の動きが大きく前進しております。現在、臨床心理職国家資格推進連絡協議会、医療心理師国家資格制度推進協議会とわれわれは三団体会談を構成し、国会での法案成立を目指してきました。この動きは心理・医療・教育・福祉等の関係者だけでなく、国民全体の願いであるといってもよいと思います。
 三団体会談の中で構想され、本年4月にスタートした一般財団法人日本心理研修センターの設立も国家資格化への具体的一歩であり、その成長は大いに期待されるところです。
 子安前理事長の基本方針を踏襲し、皆さんとともに、心理学界の明日に向けて、この課題を成就することが私自身にとっての大きな責務であることを述べ、理事長就任のご挨拶とします。
                                2013年7月 上野一彦

障害者差別解消法が可決成立

  • 2013.06.20 Thursday
  • 07:00
障害者差別解消法が可決成立しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130619/k10015408361000.html

画期的なのは下記の2点です:
合理的な配慮をしないことも差別である
発達障害が明記されている

法案は(1)障害を理由とした差別的取り扱いの禁止(2)障害者が壁を感じずに生活できるように合理的な配慮をすること――の義務づけが柱。国・自治体は2点とも法的義務だ。
民間事業者は(1)を法的義務とし、(2)は努力義務にとどめる。合理的配慮の義務が生じるのは、障害者らから求めがあり、負担が重すぎない場合に限る。
対象は教育、公共交通、医療など幅広い分野にわたる

国に指導・勧告権があるとして、虚偽報告した企業への罰則規定も設けた。施行は3年後の2016年4月。
何が差別に当たるか、政府は今後、基本方針を策定する。
法案の詳細は、以下を
http://www8.cao.go.jp/shougai/kaisyouhouan-anbun.html

(JDDnetからのお知らせです)

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